「取引」はしない、「取り組み」をする

――話は変わりまして、販路について伺います。販路の選択肢はいろいろあるかと思いますが、選定基準はありますか。
収穫作業前の打ち合わせの様子。圃場には、屈まず、重いものを持たずに作業できるよう工夫が凝らされている。

【田中】基本的には、今はスーパーさんが中心です。全国のスーパーさん。地域でバッティングしないようにマッピングしながらやっています。

スーパーさんと僕らは、「取引」ではなくて、「取り組みをする」という言い方をしています。トマトをいくらで買いますか、売りますか、という話はせずに、一緒になって「棚づくりをしていきます」というスタンスです。サラダボウルが皆さんに代わって野菜の棚づくりをしますよ、と。だから僕らは商品の企画もするし、提案もします。一緒に価値ある仕事、社会を豊かにする仕事をしていきましょう、というのが僕らのメッセージ。それに賛同して、仲間になってくださるスーパーさんと一緒に取り組みをしています。

――外食さんはいかがでしょう。スーパーさんと比べると、ロットがまとまりにくいといったこともあるのでしょうか。

【田中】外食さんがどうかというよりも、自分たちの事業のステージの問題だと考えています。僕らは生産拠点がまだ2カ所しかありません。次のステージへと進んでいくなかで、スーパーさん以外との取り組みを検討していくことになるだろうと思っています。