カメラ買ったけど撮らないのはなぜか

【飯島】タバコはいいんだけど、今回参ったなぁと感じたのは、撮影のときに何もメークアップをしてくれないんです。テレビのニュース番組だと、シミが見えないようにドーランを塗って眉も描いてくれる。ところが白鳥さんの写真だと、シミがすごくて肌が汚い。これが本当の俺なんだな。こんなに汚い肌を多くの人に見てもらうのは恥ずかしいなと思ったんだけど、家族も含めて、見てくれた人には非常に評判がいい。自分以外の人の写真を見ると、それぞれのモデルの本質が写っているようで感動したので、私もそう見えているのかなと。これが白鳥さんのすごさなのか、とさらに参ってしまった。

【白鳥】写真展に来たお客様から「白鳥さんは男性に容赦ないですね」と指摘されたことがあります。女性のときにはレフ板を使ってシワを飛ばすようにしますが、男性を撮るときにはほとんど何もしません。何かやるとウソっぽくなるので、ありのままを見せるようにしています。シワも白髪もそのままです。

【飯島】最近ではスマホも普及して、誰でも気軽に写真を撮るようになっていますが、昔のカメラは高かった。タクシーの初乗りが80円、コッペパンが5円の時代に、オリンパスのカメラ(オリンパス・ペン)は1万円以上もしたのです。若いころの私は、何を考えたのかそのカメラを買いました。しかし、写すと現像代がかかるので、写したくない。しかし、カメラを首からぶらさげているのが、おしゃれとされている時代でしたから、そのせめぎ合いが難しい。

【白鳥】ははは。持っているのに、撮らないのですか。

【飯島】そうなんですよ。持っていることは自慢したいのに、「撮って」と言われると、お金がかかって困る。パッと見せて、ササッと隠して、話題を変えるのがミソです(笑)。

【白鳥】カメラもどんどん変わりましたね。僕の父親も写真館を経営していましたが、マグネシウムを使って煙がバンとでるもので、子供心にとても怖かったのを覚えています。

【飯島】白鳥さんのように自然に撮ってくれたらいいのですが、ポーズをつけて写真を撮られるのがどうも苦手です。新幹線のホームなどで「あ、飯島さんだ。写真撮って」と見ず知らずの女性から急に話しかけられることがあります。特に関西は遠慮なしにどんどんきます(笑)。そのとき「私は飯島さんという人ではありません」と逃げても、関西の女性は「何言ってるのよ、飯島さんじゃない」って。そんなときは「その飯島勲は私の双子の兄で、私は弟です」と申し訳なさそうな顔をしてやりすごすことにしています。

(撮影=村上庄吾)
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