花田凱紀さんとの対談の続編である。前回(http://president.jp/articles/-/16827)、花田さんは、「新聞は政治家を絶対にほめません。人間は誰でもほめなきゃ成長しないものです。批判をするのもいいですが、いいことをしたらほめるべき。新聞が時の総理をほめたことは皆無だと思います。日本の新聞は『ほめない、反省しない、謝らない』」とお話をされていた。
まったく同感である。日本において新聞は極めて大きな影響力を行使してきた。しかし、それは空気を変える、というよりは、同じ方向に読者や世の中を進めるという影響であったのではないか。
私は、小泉純一郎氏の秘書だった当時から、すべての新聞と等距離で接した。どれだけ小泉政権を批判するような新聞でも悪し様にするようなことはなかった。
そして、他の議員は見向きもしなかったスポーツ新聞や雑誌記者ともちゃんと付き合ってきた。大手新聞ほどの影響力はないが、スポーツ紙や雑誌のほうが正論を述べているときがあると感じたからだ。
1+1の答えを多数決で決めてはいけないように、多数派が常に正しいとは限らない。自分たちが多数派だからといって自分が正しいと過信してはいけないのだ。与党は常に謙虚な気持ちになって少数派の主張にも耳を傾けることが必要だ。こんな時代にタバコを吸う私たちは圧倒的な少数派であるが、だからと言って直ちに間違っているということではない。これからも正々堂々議論を挑みたいと思っている。
以上が、政策的には保守と思われている私が、「多様性」を重視する理由である。