サイドメニュー、季節ごとのキャンペーンに力を入れる理由
このように品揃え、質ともに充実したサイドメニューを誇るロッテリアだが、脇役に力を入れるのにはわけがある。主力商品であるエビバーガー、絶品チーズバーガーは原材料や調理法のこだわりに比して、それぞれ単品で360円、380円という低めの価格設定だ。この価格でも、ファーストフードとしては普通、むしろ「高い」と感じる人もいるかもしれないが、食材の原価や人件費が高騰する一方の昨今では、原価ギリギリ、というところ。そこで、できるだけサイドメニューを組み合わせて買ってもらい、総合的に利益を出す、というのがロッテリアの戦略だ。
またロッテリアではさらに、イベント性を加えることによって、付加価値のアップを狙っている。もともとファミリー層をターゲットとするロッテリアは、季節折々の歳時記に合わせた販促キャンペーンをお家芸としている。2016年に限っても、お花見にちなむ春色エビバーガーや、イースター、こどもの日、七夕のフェア、月見バーガーといった具合。季節の行事に応じた商品を発売したり、フェアを打つことで、購買意欲を高める戦略だ。またこの戦略は、家族や友人とともに過ごす時間を楽しんでもらいたい、という、ロッテリアの方針にも通じる。
9月15日から10月末にかけては、ハロウィンをテーマとし、アミューズメントツールにも力を入れている。これは2015年からの取り組みで、例えば一番価格が高い商品が、「紫魔術のベーコンW絶品チーズバーガーBOX」。チーズに紫芋のパウダーで色づけをし、ハロウィンらしくデコレーションしたバーガーが、ドラキュラの眠る棺桶をイメージした限定ボックスに入っているというもので、ポテト、ドリンクとのセットで950円だ。
そのほかにも、バーガーやポテトの包材、シェーキのストローなどにもハロウィンならではの工夫を凝らし、イベント性を高めている。
「ツイッターやインスタグラムなどのSNSやメディアでの露出により、これまでの10数倍注目度が高まっていると感じます。またこれは当初の狙いでもあったのですが、10?20代のお客様が増えており、客層の開拓にもつながっています」(小島氏)。