エクセル、パワポを駆使して大きな案件を動かす外資系のエリートたち。ビジネスに格段に差をつける彼らの時短テクニックを一挙に公開!

文章をあれこれ考え、気がつけば長文&多大な時間を費やすメール作成。部下からの大量のメールを日々チェックするバンク・オブ・アメリカ東京支店の木越純副会長は「メールは簡潔であることが重要」と強調する。「要職の人間は忙しいので、長いという理由だけでメールを読まないこともある。ポイントを抽出してなるべく短くし、要件は序盤で訴えるようにしたほうがいいです」

ただし、短いメールで通じ合うためには、普段のコミュニケーションが欠かせない。「いつもメールを送るだけではなく、時には電話や直接会うことで、仕事仲間との距離を詰めておく。すると、メールが短くても阿吽の呼吸で通じるんです。信頼ベースで即決できる関係をつくるには、時間が必要。それも長い目で見れば時短になります」。

木越氏の考える、いいコミュニケーションとは、「ポイントが明確」「論理的であること」「リスペクトを失わない」。それは、メールにも通じることだ。

【×】悪い例

<よくあるNGポイント>
●ダラダラ長い
●相手への要求が不明瞭
●マイナス要素とプラス要素が曖昧
●添付資料を見ないとわからない

【○】良い例

<メール作成の時短テク>

[1]悪い報告ほど早くメールする
トラブルを上司に報告するときは、とにかく早くメールを送る。初動が鈍いと、後の処理に多大な時間を要することがあるからだ。「現在起きている事実を客観的に伝え、『追って連絡します』という報告が大切。冷静な行動は評価されます」。

[2]相手に求めるものは最初にズバリ
メールを読む相手側は「要するに自分は何をしたらいい?」を想定しながら読んでいる。そんなとき、冗長な時候の挨拶などはかえって悪印象だ。「申請を承認してほしい」「上の人に口を聞いてほしい」など、趣旨を明確に伝えよう。

[3]説明は箇条書きで
詳細を説明したい場合、ダラダラした長文はNG。資料を添付しても、開いて見てくれることはまずないと思ったほうがいい。資料があっても、伝えたいことは箇条書きで提示。そのほうが理解しやすく、次の行動への判断が早い。

[4]メールは端的に5~10行以内
忙しい読み手に手早く趣旨を伝え、さらにインパクトを与えるには、文章を短くする必要がある。目安は約5~10行。導入は最初の2、3行に収め、次の数行で早くも核心に。残りの補足などをブレットポイント“・”で示すと明確。

[5]返信は1行でも即レスポンス
国際的に展開する外資系企業では、夜眠っている間でも世界のどこかでビジネスが進行中。素早い反応が求められる。「メールを返さないと案件がそこで止まってしまうことがある。短くてもいいから、すぐに返信をするのがマナーです」。

[6]感謝で始まり感謝で終わる
短さを追求するのも大事だが、感情が見えてこない文章は、読み手の心に響かないもの。そこで「助言をありがとうございます」「いつもサポートを感謝してます」などの言葉で始め、最後も感謝でシメ。相手とのつながりを大事にする。

バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ東京支店副会長 兼 コーポレートバンキング本部長 木越 純
1983年東京銀行入行。90年ロンドンでMBA取得後、三菱UFJ証券、J.P.モルガンなどに勤務し、2014年より現職。国際基督教大学同窓会長。
(文=鈴木 工)
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