ラーメン二郎ファン数は愛知県の人口と同じ!

前回に引き続き、風変わりなグラフを紹介していこうと思います。

まずは、美味しい話題から。私は、『ラーメン二郎』が大好きな「ジロリアン」です。その筋ではよく知られている、油たっぷりの極太ラーメン。人によって評価は分かれるようですが、私はハマっています。

去年の秋から今年の春にかけて、首都圏(1都3県)の全店舗を制覇しました。トッピングはいつも「ニンニクマシマシ!」。最近は、お気に入りの店舗(横浜関内店、めじろ台法政大学前店、相模大野店、八王子野猿街道店など)を週1でリピートしています。

さて、このラーメン二郎ですが、食べたことがある人は国民の何%くらいか。経験者の感想はどういうものか。

調査データを探してみたところ、マイナビスチューデントさんが2015年6月にWebアンケートをしています。19~78歳の社会人男女が対象で、432人から回答を得ています。同サイトの登録読者が対象ですので、サンプルに偏りがあるでしょうが、二郎系ラーメンの経験率と感想を問うた、唯一の調査データとして注目されます。(https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/16114

調査の設計はシンプルで、二郎系ラーメンを食べたことがあるかを尋ね、経験者には「おいしいか、おいしくないか」、未経験者には「食べたいか、食べたくないか」を答えてもらっています。

このように質問が分化するSQ形式(編注:Sub Question=枝分かれ質問)の回答をグラフにする場合、皆さんはどうしますか。私なら、以下のような図にします。調査対象の432人を正方形に見立て、横軸で経験の有無、縦軸で感想の比重を表現する図法です。

「食べたことがある」の割合は13.4%、およそ7人に1人です。若い男性に限れば経験率はもっと高いでしょうが、老若男女をひっくるめた成人全体ではこんなものでしょうか。このうち、「おいしい」と「おいしくない」の評価の比は「6:4」ほど。やっぱり割れますねえ。

未経験者の今後の意向は、「食べたいとは思わない」が4分の3と多くを占めます。女性や高齢者は、あの実物の写真(編注:分厚いチャーシュー数枚に、山盛りのもやしとキャベツ、豚骨ベースの脂肪分多めな醤油味スープ)をみると尻込みしてしまうのでしょうが、プチサイズや「麺半分」というオーダーもできますので、一度食べてほしいなと思います。

図の色つき部分は、二郎系ラーメンの経験があり、かつ「おいしい」と評している広義の「ジロリアン」で、全対象者に占める割合は7.9%です。2015年の『国勢調査速報』によると、19~78歳人口は9348万人。先ほどの比率をこれに乗じると、全国の推定ジロリアン数(広義)は738万人と見積もられます。愛知県の人口と同じくらいです。

二郎のマーケットは広し。二郎の店舗の多くは首都圏にありますが、地方進出すれば、さらなる利益が望めるのではないかと思います。

アンケートではSQ形式を使うことが多いですが、設問が分化するとベースも変わりますので、回答比率の意味を読み違える恐れも出てきます。先ほどの例だと、「おいしい」の回答比率は、経験者ベース(58.6%)と全体ベース(7.9%)では大きく違います。比率の意味するところをイメージしやすくする上で、先ほどの図法は有用ではないかと思います。