競技力向上事業に100億円以上!

予算面も年々拡大し、2016年度の競技力向上事業はざっと100億円を突破している。オリンピックではお金で勝てるものではないけれど、お金がないと満足な準備ができないのだろう。結果的に、今大会では、メダル41個のうち、40個がマルチサポートのターゲット競技種目の対象競技だった。

また、見逃せないのが、大会中、リオに設置された「ハイパフォーマンスサポート・センター」の存在である。食堂では、米飯やうどん、焼き魚など和食を中心にさまざまなメニューが提供され、炭酸泉、サウナ風呂、疲労測定器、最新の治療機器などによるリカバリー施設も充実している。

トレーニング施設もあり、好成績を残した柔道やレスリングなど6競技はここで事前練習を行った。選手村には練習パートナーや村外スタッフは入れないが、ここでなら、きっちりと調整ができた。夏季五輪ではロンドン五輪に次ぐ、2度目の設置だった。センターの事業費も、ロンドン五輪の5億4000万円より増額され、今回は8億1000万円だった。

間野教授はリオの米国のサポートセンター3つのうちの1つを視察した。

「アメリカより、日本のほうが、スポーツ医科学の導入という意味では進んでいました。また日本のハイパフォーマンスセンターは大会ごと、確実によくなっています」