ビジネスに欠かせないコピー用紙。「A4」や「B5」などさまざまなサイズがあるが、ここに隠された秘密があるのをご存じだろうか。実はコピー用紙の縦横の比率は、どれも「√2(1.414……)対1」、つまり「白銀比」になっている。そして、すべて同じ形、相似形をしているのだ。

たとえば、A4サイズは「210mm×297mm」で、確かに「1対√2」。これを縦に半分に折るとA5になり、逆にA4を2つ合わせるとA3。一方、B4は「257mm×364mm」であり、こちらも「1対√2」だ。これも縦に半折りするとB5で、B4を2つ合わせるとB3になる。

ちなみに、A判は国際標準規格(ISO)であるのに対し、B判は日本独自の規格(JIS)で、かつて官公庁の書類はB判だった。日本でもA判が主流になる半面、A判だけでは使い勝手が悪く、伝統的なB判も混在することになったのだ。確かにA4と比べてA3では大きすぎ、A5では小さすぎる。それを補完するためにB判があるというわけだ。

ところで、このA判とB判にも数学的関係が秘められているのだ。ここではA4とB4の同じナンバリングの用紙で説明する。

面積はA4が「210mm×297mm=62370平方ミリメートル」、B4が「257mm×364mm=93548平方ミリメートル」。その面積比は「93548平方ミリメートル÷62370平方ミリメートル=1.499……」となり、ほぼ1.5に等しい。つまり、A4の1.5倍の面積がB4ということになる。

実はこの関係性を、中学レベルの数学で簡単に理解できる方法があるので、ご紹介しよう。ポイントは「対角線」だ。