長谷川家の家計簿改善 BEFORE⇒AFTER [年収:740万円]
家族構成●夫(53歳・大手機械メーカー勤務)、妻(49歳・専業主婦)、長男(15歳)、次男(12歳)
年収●額面=740万円/手取り=590万円
ボーナス●夏=45万円/冬=45万円 相談時の貯蓄額●310万円
毎月の家計は4万円の赤字。それを何で補うかといえば、そう、ボーナスだ。夫が大手企業に勤め、安定してボーナスが支給されてきた長谷川さんの家庭では、それも至極当然のことと考えられてきた。
だが、夫の勤務先が突然の業績不振に陥り、ボーナスが大幅カットされることに。毎月の赤字補填のほか、住宅ローンのボーナス払い、クレジットカードのボーナス払いなど、「ボーナスありき」で成り立ってきた長谷川家にとっては、ゆゆしき事態に陥った。
ところが妻は、いまひとつピンときていない様子。子供が生まれたら仕事を辞め、庭付き一戸建ての家で幸せな家庭を築く。そんな夢を描き、一つ一つ実現してきただけに、今の生活を揺さぶられるなどということは、受け入れがたかったのだ。
だが53歳の夫は現実の厳しさをひしひしと感じていた。15歳と12歳の子供にはまだ教育費がかかる。現在の貯蓄は300万円ほどしかない。意を決して妻に「パートでもいいので働いてくれないか」と申し出た。
ところが妻は、子供を盾に「塾通いのサポートをしなければならない」「受験の準備で忙しくなる」などと理由をつけ、自分が働くことに猛反発。あげく夫には「残業代で補って!」と言い放った。
埓が明かないと感じた夫は追い詰められ、妻を伴って家計相談に来たわけだ。FPという立場から、老後にいくら必要か、「103万円(130万円)の壁(配偶者控除)」を気にするより収入を得たほうがメリットが大きいなど、客観的な数字を提示。すると妻も素直に耳を傾けた。夫も「手伝ってほしい」とお願いするスタンスで話したところ妻も承諾。夫は皿洗いなど家事を手伝うことで円満に解決した。
マイエフピー代表取締役社長。「消費」「浪費」「投資」で仕分ける家計管理の考え方が大反響を呼び、庶民派ファイナンシャルプランナーとして、9000件以上の赤字家計を再生。著書に『年収200万円からの貯金生活宣言』シリーズ、『「貧乏老後」に泣く人、「安心老後」で笑う人』などベストセラー多数。