賢い親は「子供が勉強する方法」を勉強する
とはいえ夏休みは、どうしても生活習慣が乱れてしまいがちで、つい「勉強しろ」が口に出てしまいます。
そもそも夏休みに勉強する意味は何でしょう? 夏休みは、本来「休み」です。学校を離れ、普段できない体験をする機会です。それでも親として「勉強しろ」と言いたくなるのは、一体なぜなのでしょう。
最近は昔に比べ、夏休みの宿題は少ない傾向にあります。学校の側としては、習い事や社会体育等の活性化、夏休みの塾通いなど子どもの「多忙化」に配慮してのことです。しかし「我が子の夏休みの宿題が少ない」ということに不安や不満を感じる親は結構います。
あれほど自分が苦しんだにも関わらず、です。いや、逆に、自分が苦しんだからこそ、我が子もこの苦しみを味わって成長するのだという考えもあるかもしれません。一理あります。
そこで「勉強しろ」が出る訳ですが、要は不安だからです。不安は、余裕から生まれます。余裕しゃくしゃくでクーラーの効いた部屋でアイスを食べながらゲームをする姿に、「これで大丈夫だろうか」という気持ちが湧くのは無理もありません。
しかし、普段の学業成績が普通程度であれば、本来は特別な勉強の必要はないのです。普段できないことをやる「チャンス」として、自由研究なり何かやればいいのです。学校が始まれば、否応なしにまた毎日勉強することになります。
学業に大幅な遅れが見られる場合、挽回の「チャンス」として特別に勉強することはあり得ますが、次回原稿で詳しく説明する通り、この場合「親も一緒に」が前提で、かなりのハイコスト(手間隙)を覚悟する必要があります。
要は「勉強しろ」と言いたくなったら、親である自分自身への言葉だということです。
賢い親なら、「勉強しろ」と言わないで子どもが勉強するようになる方法を「勉強する」ことでしょう。
どうしても「勉強しろ」と声を上げたくなる場面はあります。次回原稿では、「勉強しろ」というのが口癖になっている親側の心理や生活習慣を分析してまいります。その上で、子供が勉強に取り組みやすくなる具体的な方法をお伝えしたいと思います。
子どもの姿は、自分自身の鏡。
子どもからも学ぶ姿勢を持って、夏休みは我が子と一緒に楽しく学びたいものです。