10年後。人工知能が進化した世界で、人間のライバルはロボットかもしれない。その日に備える賢い親は、我が子への接し方に共通点がある――。

人工知能に勝てる子の育て方とは

以前、「我が子を『ロボットに負ける人間』にしてしまう親の特徴5」(http://president.jp/articles/-/18363)と題した原稿を本欄で書きました。現在、小中学生の子供が社会人になったとき、人工知能がさらに進化していることは間違いありません。人間がロボットに仕事を奪われることも増えるでしょう。我が子を10数年後に「食っていける大人」に育てたいと思っている親にとって、より切実な時代となりました。

今回は、そうした将来を意識して、ロボット(人工知能)に負けない人間に育てている親の典型的な言動を5つ紹介しましょう。

【我が子をロボット(人工知能)に負けない人間に育てている親の特徴5】

(1)何が正しいか、子供が自分で判断して決める。
(2)まずは自分で挑戦させて、見守る。
(3)失敗を認め、やったこと自体を認める。
(4)子供の言動に向き合う。聞く。
(5)子供を尊敬する。

以下、ひとつずつ見ていきましょう。

(1)の「何が正しいか、子供が自分で判断して決める」とは、能動そのものです。

できる親は、子供に日常の小さな選択をさせていきます。例えば、ファミリーレストランのひとコマ。席に着いて、さあ、どのメニューにするか。親としては、さっさと決めて欲しいところですが、子供はうだうだ悩みます。それを我慢できないと、つい「これにしなさい!」と言ってしまいがちです。ここをぐっと堪えられるかです。

できる親の子供は、習い事ひとつをとっても、子供に選択を決定させているようです。これによって、少し続けるのが辛い時期でも「自分が選んだのだから」と続ける確率が高まります。

できる親は子供に複数の選択肢を示し、その先の決定権を委ねているのです。日常のひとつひとつの小さな選択を大切にしてあげるだけでも、能動的に動く子供の素地が育ちます。