国立大より私立大教授の方が高給

文部科学省が、国立大学法人の教授などの教職員の平均年収を公表しています。

東京大学の場合、教授の平均年齢が56.2歳で、年間給与は1172万円。ちなみに、東大が突出して高いということはなく、他の国立大学法人も同じような年収水準となっています。

さて、いかがでしょう。

民間企業で言えば、平均的な上場企業の部長と同水準、といったレベルでしょうか。

一方、私立大学の教授については、厚生労働省が実施している賃金構造基本統計調査から、平均の年間賃金を計算してみました。教授で給与・賞与の合計が1087万円となり、国立大学法人とほぼ同じ水準となっています。ただし、こちらは短大なども含まれており、有名私立大学に絞れば、これより1~3割程度は高い水準になると推測されます。

すなわち、大学からの給与だけで見れば、国立大学より私立大学の先生の方が、やや勝っているということになります。

また、東大のデータで、平均年収は1200万円弱でしたが、最低は800万円台から最高1800万円台と、約1000万円の開きがありました。

民間企業であれば、業績や評価の差ということも考えられますが、そうではなさそうです。所属学部や諸手当の違いといった要素はあるものの、ベースとなる給与額は、年功的に昇給するしくみが大半です。国立大学法人になったとはいえ、もともとは国家公務員ですので、公務員の給与体系を引きずっているのです。

また、実態として、各人の業績や実力の違いはあるものの、他人に評価されることを極端に嫌う人たちの集団です。したがって、おそらく年収800万円台というのは、若くして教授に登りつめた期待の星、という可能性が高いでしょう。

大学に通ったことのある人なら、何十年も同じ講義を繰り返している、化石のような教授の授業を受けた経験があるのではないでしょうか。このような化石教授こそが高給取り、という理不尽な世界なのです。