「年次を重ねている方が正しい敬語を使っているかと言えば、そうではありません」
毎年多くの「新入社員向け」敬語研修を担当する、元CAの美月あきこ氏は言う。あなたは大丈夫だろうか。自分の言葉遣いを見直してみよう。
誤った敬語は会社の信用を落とす
若手、ベテランを問わず「敬語の癖」があります。若手ビジネスパーソンは「正しい敬語を使わなければ」と意識するあまり、二重敬語や余計な言葉の挿入、過剰な敬語を使う傾向があります。一方、ベテランビジネスパーソンは身についてしまった我流の敬語を使いがちです。
特に意識していただきたいのが部下や後輩を持つ方々です。会話や商談などを通して、若手は先輩や上司の言葉遣いを真似してしまうもの。ビジネスコミュニケーションに関しては、若手のボトムアップと同時にトップダウンが必要不可欠です。
敬語を美しく使うことの効能は2つあります。まず、ワンランク上のビジネスパーソンに見せることができるという点。逆に、ここぞという場面で誤った敬語を使うと自分だけでなく、会社の信用を落としてしまう恐れもあります。
もうひとつは、関係性をフラットにできる点です。ビジネスにおいて敬語は「共通言語」。お互いに敬語を使えば対等に話せるというメリットは大きいのです。相手が目下だからと粗略なものの言い方をせず、正しい言葉遣いで丁寧に話すことで職場の空気もよくなるでしょう。
スマートな敬語を使うための第一歩としておすすめなのは一文を短くする方法です。ありがちな「いただきます」の連続も短く区切ってみると防げます。
「自分は大丈夫」という思い込みを捨て、体に染みついた誤用をリセットするつもりで取り組んでみてください。