あなたの1票が日本の未来を決める
また、選挙用にいろいろ政策を並べていても、実はそれほど詳しくないという候補者もいる。いわば、偽装表示みたいな候補者には、きちんと問い質して確認するのが、「良い消費者(=有権者)」なのだろう。
もう一つ、良い商品を見極めるポイントとして、「言葉」を挙げたい。当選したいだけの言葉なのか、本当に当選して何かをやりたい言葉なのか。有権者はそれを一つの判断材料にしてほしい。
かつて、経営者でも政治家でも名言を知られるトップリーダーがいた。松下幸之助、本田宗一郎、田中角栄などがその代表格だ。しかし、バブル崩壊以降、言葉で大衆を惹きつけるトップリーダーは皆無といっていい。
だからだろうか、ここ数年、故・田中角栄元首相を取り上げた書籍が人気だという。今の政治家に物足りなさを感じている裏返しなのかもしれない。
その角栄氏の名言は数々の書籍で伝えられ、ネットでも検索できる。
「俺の目標は、年寄りも孫も一緒に、楽しく暮らせる世の中をつくることなんだ」
「国の方向を示すのが政治家の役目だ。それが出来なければ役人以下だ」
「初めに結論を言え。理由は、3つに限定しろ。分かったようなことを言うな。気の利いたことを言うな。そんなものは聞いている者は一発で見抜く。借り物でない自分の言葉で、全力で話せ。そうすれば、初めて人が聞く耳を持ってくれる」
どれも皆、金言だろう。今の政治家に、これほどのことを言える人は、残念ながら見当たらない。
だからといって、“良い商品”が無いから“買う(=投票する)”のはやめよう、と思わないでほしい。全候補者にノーを突きつけるのは、白紙という手段もあるからだ。
地方選挙では、投票率が20~30%、国政選挙でも50%台だったりする。改正公選法で、有権者の年齢が18歳に引き下げられた。約240万人で、全有権者の約2%だが、有権者が増えた分だけ、投票率がさらに下がることも予想されている。だからこそ、諦めず、吟味して1票を投じていただきたい。賢い消費者、賢い有権者の1票が、国の行く末を作っていくことだけは間違いないのである。