使用頻度によって1軍から3軍にまで仕分けるのが小松氏流。過去1カ月間を振り返り、使った文房具などは1軍として残す。まったく使用しておらず、今後も使わないと判断したら3軍と考えて捨てる。もったいないと思ったら、誰かに譲ったり、社内の共有スペースに置くなども選択肢の一つだ。予備のペンや付箋など、そのうち使いそうなものは2軍ととらえ、引き出しには戻さず別の袋や箱に入れておく。1カ月間保管して使う機会がなければ捨てるとルール化するのだ。

「たいていの場合、1軍だけで仕事が済ませられるものです」

整理のワンサイクルを実行するだけでも、必要な文房具や資料を探す時間が短くなり、一気に集中して仕事ができるはずだ。

さらに、整頓を実行すれば時間の効率化がいっそう進む。整頓は、(1)分類する、(2)配置する、(3)収納する、という3つのステップに分けられる。

整理で物を減らしたら、書類なら書類、文具なら文具と分類していこう。書類も種類によってA、B、Cとファイル名をつけるとさらにわかりやすい。

そうして分類したグループごとに、どこに配置するかを決める。かたづけ下手の人は自分の好きなものを手前に配置することが多いという。「使用頻度の高いものは手前に置き、あまり使わないものは奥にしまいます」。

最後に収納だが、最大のコツは「一動作で取り出せる」ことだ。

たとえば本や資料を平積みにすると、欲しい資料は上のものをどけないと見つからない。「資料は縦置きにする、ファイルボックスを使う、間仕切りするなどの工夫をし、一目でどこにあるかがわかり、すぐに取り出せるようにしましょう」。

かたづけ名人は空中戦で勝負する

もう一段、高度なかたづけ法がある。それが「習慣化」だ。かたづけを習慣化し、整理・整頓ができた状態を維持するのだ。

「カギは空中戦です。モノを机に置く前に、必要か否か、必要ならどこに収納するかを瞬時に決めてしまうのです」

たとえば同僚から何かの資料を渡されたら、それが仕事に必要かどうかを一瞬で判断し、不要ならゴミ箱へ、要ると思えば納めるべきところへ納める。机や床に置く前に行き場が決まるので「空中戦」というわけだ。