自社の強みを発揮できる有望な「市場」を見極める方法
自社にとって既存市場が最適な市場かどうかを冷静に分析する機会は限られ、従来のままに経営を継続している企業は多い。
「いくら製品に改良改善を加えても価格競争が激しく、利益が出ない」
「競合企業が乱立し、自社の優位性が発揮できない」
「市場が成長性に乏しく、魅力に欠ける」
もし自社の市場にこうした懸念を感じたら、自社の市場を次の3プロセスを踏んで分析し、市場を進化させる糸口を見つける。
【1】既存の市場を正確に把握する……その4つのポイント
自社の市場規模と構造を正しく把握するには、次の4点を分析する。
(1)市場を構成している顧客を分析する
B2Bビジネスの場合、自社の製品やサービスに需要がある法人や組織・その企業規模・企業数を把握する。若年人口が減少し高齢化が進めば高齢者向け事業は拡大するが、子供や若者向けビジネスは減少する。主要取引先が海外市場の開拓に注力しているなら、その背景を探る。
(2)市場に存在する製品やサービスを分析する
現在の市場は、どのような製品やサービスが主流になっているかを把握する。市場の構造が旧来のままなら、従来品で市場は構成されている。だがデジカメやスマートフォンの登場で写真用品の市場が消滅したり、ネットからコンテンツがダウンロードできるようになってCDやDVDが衰退したりする様な予兆や事態が生じていれば、その市場は大きな構造変化を起こしていることになる。
(3)需要が生まれる頻度
製品やサービスがどのような頻度で購入されているかを把握する。購入頻度が高いものほど単価が安い傾向が強く、単価が高くなるほど購入頻度は減少する。人生で一度しか需要が生まれないカテゴリー(ランドセルやお墓など)では市場規模は人口に比例し、モノを販売するだけでは市場規模は拡大していかない。
(4)購入に至る経緯
購入に至るきっかけ、買い換え時期や条件、購入に際して入手する情報などを把握する。ネットの登場により商圏や購入プロセスが様変わりしていることに対応できているかどうかも判断する。