店舗からネットへ移りゆく「爆買い」

話題の銘柄=テーマ株においては、第2・第3の銘柄を物色する動きが広がっていく、興味深い現象が起こります。この場合、「もしかしたらこの企業も民泊に参入するかもしれない」という読みから、民泊絡みのニュースが出るたびに不動産関連銘柄が軒並み急騰するのです。その後、民泊の参入を発表した銘柄があれば、さらに一段上昇します。実際、この流れで株価が3倍超となった関連銘柄は、この半年でいくつもあります。

昨年の訪日外国人客数は過去最高の1973万人を記録し、政府は20年までの年間目標を従来の倍の4000万人に引き上げました。この発表を受け、市場では民泊の規制緩和がさらに進むのではないかと期待されています。

そして、足元ではインターネット経由での国際的な電子商取引「越境EC」が新たに注目を集めています。4月8日に中国で、少額購入なら実質増税、高額購入なら実質減税になるという「越境EC」に関する税制度改革が行われました。これを受け、とりわけ「中国向け越境EC」の中長期的な高成長が期待されています。

ここ数年のインバウンド関連銘柄の動きを見ていくと、市場の関心は中国人による「店舗での爆買い」から「ネット上の爆買い」へ移ったことがわかります。ラオックス株では、「一番の高値でなくても、株は利益が出ているうちに売るべし」「下落途中につかむな」ということを改めて学んだ投資家も多いのでは。細かいトレンドの移り変わりを見逃さないことが、手痛い授業料を払わずにすむ秘訣です。

(時事通信フォト=写真)
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