エレベーターやタクシーでの移動中、新しい上司や得意先とふたりきりになったら、さて、何を話題にしたらいいのか。会話が盛り上がる、業界人も知らない極上のネタをあなたに。
話にリアリティを出すネタとは
うんちくは学生にスポーツ経営の講義をするときによく披露します。理論だけでは学生も退屈しますから、事例を入れて話に説得力を持たせるのです。
たとえばプロ野球選手の年俸は日米で大きく違います。日本の平均年俸は1軍で7000万円弱。対して大リーグは約5億円です。大リーグのほうが何でも巨額かというと、そうでもありません。たとえば球場の賃料。日本は球場の賃料が総じて高く、福岡のヤフオクドームは年間50億円でした。日本は、ハコモノにカネがかかり、給料が安い象徴ですよね。一方、大リーグは公営球場が多く、賃料が安い。イチローの活躍でおなじみになったシアトルのセーフコフィールドは、年間使用料70万ドル(約8000万円)です。アメリカでは野球が文化の一つなので、税金が投入されることに対して市民が肯定的なのです。アメリカのスポーツ文化を語るときにこういったネタを挟むと、話にリアリティが出ます。
ただ、どんなにおもしろいネタも、話した後に質問を入れたほうがいい。話した後に毎回、「どう思った?」と感想を求めると、聞き手はいい意味での緊張感を持つようになります。朝礼で話をしても聞き流されるという人は、試してください。
野球、ゴルフ、サッカー……
「教養・うんちく」スポーツネタ6
【1】テニスが「男女平等」なスポーツである理由
5月に全仏オープン、6月にウィンブルドン選手権と、グランドスラムの大会が開催。テニスはプロスポーツでは珍しく男女の賞金が同額(全仏は180万ユーロ、ウィンブルドンは188万ポンド。2015年)。サッカーW 杯は優勝チーム賞金が男子3500万ドル、女子は200万ドルで17.5倍差。女子テニス人気を支えているのは男性の性的な視線という現実もあり、素直に喜べない側面も。
【2】なぜ横浜ゴムはチェルシーのスポンサーになったのか
横浜ゴムがチェルシーと交わしたスポンサー契約は年間平均4000万ポンド(約64億円)の5年契約。横浜ゴムがJリーグJ1全チーム分よりも高い金額を払ってまでチェルシーのスポンサーをするのはプレミアリーグがアジアでもっとも多く見られているスポーツコンテンツだから。アジア市場で存在感を示したい企業にとっては高い買い物ではないのだろう。