スマホ漬けの大人を見て子どもは育つ

対策について論じる前に、まずは現状把握からです。スマホ漬けの子どもたち。「けしからん!」という感じですよね。一体、誰がこんな子どもたちを作ったのでしょう。

この問いの答えは、間違いなく、われわれ大人です。そもそも社会そのものが、大人が、スマホ漬けの状態です。電車に乗れば、乗客の過半数がスマホをいじり、目は画面に釘付け。子連れの親もいますし、子どもたちも乗っています。真剣な表情のビジネスマンがいじる画面をふと見ると、やっているのは人気のパズルゲーム。

この状況で子どもに対し、「スマホばっかりいじっていないで……」「社会で立派な人になるために……」と、どんなに口を酸っぱくして言っても、正直無駄です。赤ちゃんを抱っこしながらスマホに熱中している姿というのも、「当たり前」になってきました。

▼赤ちゃんにもスマホ漬けの大人の影響

ある医師の話ですが、近年、赤ちゃんの泣き声が変わってきたとのことです。高い声で泣く子どもが増えたとのこと。つまり、赤ちゃんの泣き声が、叫び声に近くなっているということです。それが、スマホと相関があるというのです。

どういうことかというと、赤ん坊は、常にお母さんの顔を見ます。この時、例えば「抱っこひも」を使っていると、対面しながら両手が使えます。赤ちゃんはお母さんの顔を見ているのに、お母さんはスマホの画面を見ています。

笑いかけてもむずがっても、お母さんは無表情&無反応。困ったことにお母さんには悪気がなく、画面に集中していて気が回っていないのです。この繰り返しで、赤ちゃんは不安定になっていくとのことです。