日本の電機メーカーが苦境に陥った中、「地味」「堅実」と言われた三菱電機は、絶好調だ。2015年度の売上高は過去最高の見通し。なぜこんなにも強いのか。その原点は2001年に打ち出された、あるスローガンにあった。

グーグルと戦わない三菱電機の研究開発

JR大船駅から歩いて約10分。かつて松竹大船撮影所があった地には鎌倉女子大学、鎌倉芸術館など文教施設が立ち並ぶ。晴れた日に心地よい風に吹かれて周囲を歩いていると、何とも爽快な気分になれる。高層ビルが林立する都心よりも、はるかに青空が広く見えるこの地のほど近くに、三菱電機の情報技術総合研究所がある。

所員は800人、研究者の5分の1が工学博士であるという国内屈指の民間研究機関だ。この研究所で開発された世間的に有名なものに、あの気象衛星「ひまわり」がある。ほかにも空港の気流を観測する技術や新幹線の中でインターネットができるデジタル列車無線など、三菱電機のIT、ソフトウェア分野の基盤的な技術開発を一手に引き受けている。