――「保険の見直し」という言葉をよく聞きますが、あまりピンときません。
4~5年に1回ぐらいの頻度で、ご自分が入られている保険の保障内容をチェックする癖をつけておくといいのではないでしょうか。もちろん毎年見直しても構わないのですが、手間がかかりますからね。ところでお子さんはいらっしゃいますか。
――はい。まだ小さいですけど。
でしたら、なおさらそうですね。子供は、4~5年も経つとびっくりするほど成長します。「この子はなかなか勉強がよくできる。小中高大学と公立に進みそうだから、学費はそんなにかからないな」「ピアノの才能がありそうだけれど、音大へ入るとなるとお金がかかるな」など。そうした状況に合わせて、考えればいいと思います。
――結婚や出産、住宅購入といったライフイベントごとに見直したほうがいいという人もいますね。
人生が変わる節目には見直すのが基本です。でもそれだけだと、子供の成長のように少しずつ変化する環境に対応できない可能性があります。ですから、4~5年でチェックするということをベースにして、それとは別に「もっとお小遣いが欲しいな」と思ったときなどに見直すのがいいと思います。
――言われてみれば、最近懐が寂しいんですけれど……。
「もうちょっと飲みに行きたいけれど、小遣いが少ないな」「最近貯蓄額が増えないな」などと思ったときは保険の見直し時です。
家賃や光熱費など、毎月、間違いなく出ていく固定費は、簡単には減らせません。減らせる固定費で金額が大きいのは、保険ぐらいではないでしょうか。保険を見直したら、1カ月平均で9014円も保険料を削減できたというアンケート調査結果があります。
――逆に、保障額を増やす方向で見直したほうがいい場合もありますか。
あります。たとえば死亡保険は、パートナーの生活費や子供の教育費を残すためのものですから子供が生まれたら見直し時。シンプルにパートナーに聞くのもいい。「自分が死んだらいくら必要ですか?」と。
仮に「5000万欲しい」と言われたのに、今は3000万円の保険にしか入っていないとしましょう。追加であと2000万円の死亡保険を買うには、毎月5000円前後かかるとします。その場合、「毎月5000円もらうのと、僕が死んだとき2000万プラスとどっちがいい?」と聞いてみましょう。「毎月5000円のほうがいい」とパートナーが言ったら、保険金額は3000万円のままでOKということです。これで、お互い納得じゃないですか。
――妻にストレートに聞くんですね。まずは心の準備をします。
Answer:4~5年に一度、見直す癖をつけましょう
ライフネット生命保険会長兼CEO
1948年、三重県生まれ。京都大学卒。日本生命ロンドン現法社長などを経て2013年より現職。経済界屈指の読書家。