なぜ『サザエさん』の「カツオ君」が理想か?

つまり、マナー面に関しては「ウチの親は何かと少しうるさい」と子どもが感じるくらいの方が、外ではうまくやれます。

親の目の前で起こす「傍若無人」な振る舞いを、その時・その場で正すことが大切です。「元気でやんちゃ坊主だけど、親は厳しいから外でのマナーはそんなに悪くない」というバランスです。理想は『サザエさん』の「カツオ君」のイメージでしょうか。

「私って口うるさい親かも」と悩んでいるぐらいの方が、社会的スキルの高い子どもが育ちやすいといえます。全国の「私って口うるさい親かも」と思っている皆様には、ぜひ安心してもらいたいと思います。

▼「とりあえず注意して、許す」親が一番危ない

電車の中やスーパーなど公共の場で我が子が迷惑行為をした時に、親は当然注意をします。その時の注意の仕方次第で、子どもの学校での態度と行動が決まります。

よくある話で「あそこのおじさんが怒るからダメよ」「お店の人に叱ってもらいますからね」というパターン。これは、言わずもがなですが、最悪の教育です。この場合、子どもにとって「悪者」となるのは「おじさん」や「お店の人」であり、親が「ダメよ」と言う理由は「あの人が怒るから」で、叱る人はやはり「おじさん」や「お店の人」です。ダメすぎます。また、「ダメよ」と言うだけで、放置してしまうのも×です。「言われたけど、OK」ということになります。結果、子どもはまたやります。

ただ単に注意するだけでなく、「叱る」時には「その時・その場で」「本気で」「理由を付けて」「願いも添えて」「見届ける」ということが大切です。「その時・その場」でないと、子どもは忘れます。

「本気」でないと、子どもは見抜きます。「理由も付けて」でないと、ある程度以上の年齢の子どもは納得できません。ここに「人から愛される人になって欲しい」というよな「願いも添えて」ということまでできたら、心の奥底に染みこみます。さらに「見届ける」とは、叱った行為が改善された時に、きちんと認めることです。ここまでして、やっと「叱る」という行為が完結したといえます。