「天引き」に鈍感な人の家計はルーズ?
[当たり前だけどきちんとしたいお金の話:その3]
▼給与明細、源泉徴収票をみるクセをつけよう
社会人になり、働き始めると、税金の負担が生じます。具体的には、
・所得税
・住民税(社会人2年目から)
・社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料、40歳以上になると介護保険料)
これらの税金の計算方法や、どういう用途に使われているのか、国民はどんな恩恵を受けているのかを知らない大人は少なくありません。私も決して偉そうなことは言えません。こうしてFPとして勉強していなかったら、いまだに知らない大人の1人だったに違いありません。
ですが、一生懸命に働いて得たお金が「天引き」によって、強制的に奪われるのが税や社会保険料です。
納める義務を負っているのですから、しっかりその恩恵を受ける権利も持っています。ところが、知らないばっかりにもらえる給付金(例:雇用保険に加入していると、失業した場合などに一定額を給付してもらえる)も請求せずにそのままという事例はいまだに多くあるようです。
まずは社会人として関心を持つことからはじめましょう。それには、給与明細と源泉徴収票がとても優れたツールになります。毎月の給与から税金や社会保険料がいくら差し引かれているかは、給与明細をみれば一目瞭然です。その推移をみれば、いかに上がっているのかも分かります。
1年間の総決算にあたるのが源泉徴収票です。
毎年末に会社から配られることが多い、とても小さな紙きれですが、そこには税金を計算するのに必要な情報が非常にコンパクトに詰まっています。こちらもとても大切な資料です。
銀行に振り込まれる入金額しか見ない大人が多いのですが、そうではなく、社会の一員として負担をしている以上、こうした資料にもしっかり目を通し、関心を持ってもらいたいなと思います。
最初に、「お金の使い方で人生変わる」とお話しました。人生、お金がすべてではないとはいえ、お金の管理を失敗して人生を台無しにしてはもったいありません。
自分の人生をどう歩んでいきたいか、じっくり考えて、そのためにあなたの大切なお金を上手に使っていってください。将来、「お金に翻弄されない」ようにするためにも、4月分の家計から、少しずつ貯金、浪費はしない、といった具合に、できることから取り組んでほしいです。