買う値段は気にするのに、捨てるのは……?

なかなか先が見えないこのご時世、「節約なんか一切していない」という人は少ないでしょう。多くの人が程度の差こそあれ、節約ということを意識して生活していると思います。

しかし聞こえてくるのは「節約しているけれど貯蓄が増えない」という声です。それは分析していくと「節約している気分で節約になっていない」「節約するところを間違えている」という可能性があります。今回はそんな間違った節約の例をいくつかご紹介します。

一番分かりやすいのは食料品です。同じ商品で半額シールが貼ってあるものが並んでいたら半額のほうを手に取るでしょう。人によってはチラシを見比べて、少しでも安い商品を求めてスーパーをはしごしたりします。

しかし日本の家庭では、食料廃棄の多さが目立ちます。消費者庁の発表によると、日本の「食品ロス」は年間約500万~800万トン(平成22年度推計)。これは、米の年間収穫量(約813万トン。平成23年水稲の主食向け)に匹敵する数量だそうです。1人当たりで計算すると、1年間で約15kgの食料を無駄にしていることになります。

安く買ったはいいけれど、食べないうちに傷んでしまった等が原因として考えられます。捨てるものにお金を払っている、お金を捨てているということと同じ意味になるわけです。

これを防ぐには、自分が何を捨ててしまいがちか認識することです。筆者は、家計簿をつけなくてもいいけれど、「捨ててしまった簿」をつけましょうとおすすめしています。3つで1パックの納豆を半額で買っても、毎回1つ捨ててしまっているなどの傾向が見えてくれば、次に買うときに手が止まり、ちゃんと食べられるかどうかを考えるようになります。