「どんな行動をとってもらいたいのか」が不明瞭で損をしている資料は少なくありません。営業先に「こういう商品もあります」という説明だけを書いた資料を見せ、相手から「それで?」と返されるケースがその典型。どんな行動をとってもらいたいのかという視点が、抜け落ちてしまっているのです。
目的が不明瞭な資料は技術者がつくるものに多く見受けられます。彼らのつくる資料には、コンピュータのサーバー比較表やCPU性能比較表など、単にスペックの比較が大量に書いてあるケースが多い。しかし、受け手から見ると、いったい何を推奨されているのかがよくわかりません。相手の理解レベルを超えた情報を出しすぎて、相手に何をしてもらいたいのか、どれを選んだらよいのかを逆にわからなくさせてしまっているのです。
(1)A製品をお勧めする。(2)そのためにB、Cという要素を理解してもらう。(3)そのうえでA製品を選べば間違いないと確信してもらう。
このように目的を定めることが、相手の意思決定を促すことに繋がるのです。
&Create(アンド・クリエイト)代表 清水久三子
1969年、埼玉県生まれ。お茶の水女子大卒。日本IBMグローバル・ビジネス・サービス事業部、ラーニング&ナレッジ部門リーダーを経て、2013年独立。著書に『プロの課題設定力』『プロの資料作成力』などがある。
1969年、埼玉県生まれ。お茶の水女子大卒。日本IBMグローバル・ビジネス・サービス事業部、ラーニング&ナレッジ部門リーダーを経て、2013年独立。著書に『プロの課題設定力』『プロの資料作成力』などがある。
(構成=大塚常好(プレジデント編集部))