あなたの財布は「ブタ財布」ではないか

【藤川】あと、財布を見ればその人のお金に対する姿勢がわかります。相談に来た人の財布をたくさん見ていると、やっぱり関連性があるんです。

「お金が貯まる人」は長財布派が多くて、しかも綺麗に使っています。よく「金運を上げるためには3年で買い替えたほうがいい」なんて言いますが、迷信ですよ。10年以上同じ財布を使っている人もいますから。彼らに言わせると、「自分の使い方に合った財布がなかなか見つからなくて、同じものを使い続けている」らしいんです。お金を大事にしているからこそ、財布へのこだわりが強いんでしょうね。それに比べて、お金が貯まらない人の財布は整理ができていないことが多いです。僕はパンパンに膨らんだ財布を「ブタ財布」とか「メタボ財布」なんて呼んでいるんですが(笑)。

【菅井】私も経営しているコーヒーショップの店先に出て、いろいろな人の財布を見るので同じことを感じますよ。たしかに、財布にはその人のお金に対するリテラシーが出ますね。

【藤川】もちろん、財布がきちんとしていても家計が滅茶苦茶な人もいるし、2つ折りの財布を使っているお金持ちもいますよ。でも、2つ折りの財布を使うためにスキルが必要なのはたしかです。私の考える財布をダメにする原因は、大きく分けて3つ。「小銭」「カード」「レシート」です。これらを2つ折りの財布に無造作に突っ込んでいくと、すぐに「ブタ財布」になってしまいます。だから、お金の出入りが頻繁だという自覚のあるお金持ちは、自然と長財布を選ぶんです。また、財布を定期的に整理する人は、その過程で自分のお金の流れを把握できる可能性が高いので、「お金が貯まる」ということになります。

【菅井】財布を丁寧に使う人は、家計にも無駄がないんですよね。

【藤川】おっしゃる通り。ポイントカードなんかも、吟味して必要なものだけに絞りこんでいるんですよ。ブタ財布の人は全部突っ込んでいくだけ。だから、「カードは20枚くらい持っているはず」なんて言っていても、実際に財布から出してもらうと40枚あったりします。それで、「ちゃんとポイントを使ったことありますか?」と聞くと……。

【菅井】一度も使ったことがないんですよね(笑)。

【藤川】そのうち使うだろうと思って持ち歩くけど、お店が分散しちゃってるから最後までポイントが貯まったことがない。そのうえ、数が多いからレジに行ってもカードが見つからなくて、「もういいです」と言ってしまうんです。

【菅井】さらに、「お金が貯まる人」は、ブランド物の財布を使っていることが多いと思いませんか? 重要なのは、彼らは見栄でブランド物を持っているわけじゃないということ。「いい物を長く使いたい」と思って選ぶと、縫製がしっかりしていて型が崩れにくいブランド物にたどり着くんですよ。なぜ「いい物」かというと、銀行からお金を借りるときや仕事で取引先と会うときに、相手に「信用される」ということがいかに大切かを知っているからです。だからお金持ちは、財布に限らず「いい物」を身につけるんです。もちろん、必要もないのにコロコロ買い替えるのは単なる「浪費家」ですので、いい物を長く使うことが前提ですが。

【藤川】お金を稼ぐ才能だけが秀でている「成金」の人は、そこのところがわからず、持ち物も言動も派手に、派手にしてしまうんですよね。だから、どんなに稼いでいてもすぐに没落しちゃう。