今回のアンケート調査から、「生活は朝型で、だらだらと遅くまで仕事しない」という最年少役員の平均像が浮き彫りになった。いち早く出世した役員たちは具体的にどのように時間を使ってきたのか。さまざまな業界の最年少役員4人に聞いた。

今回話を聞いた4人はいずれも朝が早かった。3年前に常務執行役になった三菱電機の大隈信幸氏は毎朝4時起床だが、そこには切実な理由があった。

「出社後はスケジュールが埋まっていて、自分の仕事をやる時間がほとんどない。自由になるのは出社までの1~2時間だけ。起きぬけに梅と酢でつくったドリンクを飲んで目を覚まします」

同じ朝型でも、早起きの理由はさまざまだ。リクルートテクノロジーズ執行役員の山村大氏は毎朝6時に起床。いつもお子さんに起こされて目が覚めるが、早起きの目的はほかにあった。


(左)三菱電機 常務執行役人事部長 大隈信幸氏(右)リクルートテクノロジーズ 執行役員 山村 大氏

「普段は帰りが遅くて家族にさみしい思いをさせているので、朝は、ごはんとお味噌汁、おかず4~5品で“朝の団らん”を楽しんでいます」

一方、朝の時間の使い方に女性らしさをのぞかせるのは、あいおいニッセイ同和損保執行役員の近藤智子氏だ。

「朝は5時50分に起きて、朝風呂。目が覚めたところで、着ていく服を選びます。身支度には1時間とります」

時間の使い方は人それぞれだが、いずれも慌ただしさとは無縁。出社前に何をするにせよ、ゆとりを持ってスタートを切ることが大切のようだ。

通勤は4人中3人が電車。唯一、近藤氏は30分、徒歩で通勤する。「日差しを浴びながら歩くのは気持ちよくて、調子よく仕事に入れます」(近藤氏)。

出社後の時間の使い方はどうか。注目したいのは会議やミーティングの時間だ。昇進するにつれて、チームをまとめて意思決定したり、関係者と意見を調整する仕事の割合が多くなる。ここで効率よくこなさないと、マネジャーとしての出世は望めない。