伝統的金融機関でも導入が始まった

世界最大のディスカウント証券会社であるCharles Schwabは昨年3月、3100ものRIA(登録投資顧問業者)を集めたウェブキャストを前に、そのロボ・アドバイザー・サービス Charles Schwab Intelligent Portfolios を発表した。また、6月にはそのホワイト・レーベル商品として、機関投資家向けにInstitutional Intelligent Portfoliosも。ロボ系の総運用資産額は53億ドル(約5800億円)水準へ成長。

投資信託やETFで世界最大手のVanguard Groupは、170億ドルも2年かけて試験運用したのち、昨年5月にVanguard Personal Advisor Services というロボ・アドバイザー種のサービスを発表した。ロボ・アドバイザーと投資アドバイザー(ヒト)の組み合わせによるサービスで、運用預かり資産は現在310億ドル(約3.4兆円)まで拡大している。コストは安い反面、最低運用金額を5万ドル(約550万円)と思い切った。

投資業界の大手老舗であるFidelity の場合は非常にドラマチックだ。2014年冬から同社はBettermentと提携し、顧客とも言える RIA (Registered Investment Advisor: 登録投資顧問業者) にBettermentの利用を仲介していた。しかし、その僅か1年後、昨年11月、決別して独自開発のロボ・アドバイザー・プラットフォーム(2016-2017年予定)にすると発表。提携が顧客に対して思った程の良い結果を出していない、との説明だったが、有価証券の決済や保護預かりの面で既存システムにもっと接続性が良く、事後的な変更・調整を加え易いものを欲しているようだ。