フラッグシップは日本ワイン「シャトー・メルシャン」

「シャトー・メルシャン 北信シャルドネ 2013年」(左)、「シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード メルロー 2012年」(右)

上述のように、国内生産の中でも日本産ブドウのみを原料としたワインを「日本ワイン」と呼ぶことが決まった。メルシャンではこの動きを歓迎しており、日本ワインの「シャトー・メルシャン」をフラッグシップとして育てていく構えだ。

シャトー・メルシャンは、山梨県甲州市勝沼にあるワイナリーで、日本初の民間ワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社」をルーツとする日本最古のワイナリーである。メルシャンでは、山梨や長野のブドウを使いこのワイナリーで醸造したワインを「シャトー・メルシャン」ブランドで販売している。

「日本のワイン造りはレベルが急激に上がっています。理由としては日本のワイン市場が伸びてきていること、そしてワインを造る人や企業が増えてきていることが大きい。ワイナリーの数も増えています。特にここ10年くらいは、海外の情報が早く入るようになっているのが大きいですね。海外のワイン造りのノウハウを取り入れるワイナリーが増えてきています。シャトー・メルシャンでも、ボルドーの1級シャトーである『シャトー・マルゴー』最高醸造責任者のポール・ポンタリエ氏を醸造アドバイザーに招くなどして、造り手のレベルアップに努めています。

それと、いいワインを造ろうという人が増えるにつれて、『土地を借りて、自社管理でブドウ作りからやろう』というワイナリーが増えている。シャトー・メルシャンでは自社管理の畑を32.5ヘクタール持っているのですが、これを2027年までに60ヘクタールにすることを目指しています。

とはいえ日本ワインの場合、国産のブドウ100%で造るとなると、生産量を増やすにも原料確保が大変になる。事実、2015年はシャトー・メルシャンの赤ワインがよく売れた結果、赤ワインの供給が追いつかないという状況だった。「農地を拡大したからといって、急に(ブドウの)供給量は増えません。現在シャトー・メルシャンの売れ行きは赤:白が6:4くらい。今年は甲州やシャルドネなど、白ワインをもっと訴求していきます。あとはスパークリングワインですね。スパークリングワインの『日本のあわ』をもっと拡大していきたい。

シャトー・メルシャンを日本ワインのフラッグシップとして育てていくために、土地のテロワールを最大限生かしたブドウ作りをし、より高品質なワインを造ることで、ブドウ産地の地域特性を深めていくということです」

シャトー・メルシャンの味を知ってもらうためつくった直営店、「シャトー・メルシャン トーキョー・ゲスト・バル」。東京・六本木アークヒルズに2014年にオープンした。