【田原】へえ。どんな仕事ですか。
【椎木】「JCJK総研」という女子中高生向けメディアをつくるから、編集長になってくれという話でした。編集長といっても、コラム書いたり商品のPRをするだけですけど。
【田原】商品のPRって?
【椎木】たとえばある石鹸をPRしてほしいという依頼があったら、実際に使ってみて、「泡立ちがいい」とか感想をブログに書いたりします。いまでいうステマに近い感じかな。
【田原】なるほど。ほかには?
【椎木】あとは「JKめざまし」というアプリのプロデュースもやりました。女子高生がターゲットなので、イケメンボイスで起こします。これはけっこうウケて、2万ダウンロードいきました。
【田原】すごいですね。椎木さんも儲かったんじゃないですか。
【椎木】いやいや、ぜんぜんです。ぶっちゃけ、そのときサイバーエージェントさんからもらっていたのは月5万円だけ。高1に5万円は大金ですよ。でも、企業として考えたら終わってる額です。私が女子高生だということで舐められてたんでしょうね。これはおかしいと思って、半年で編集長を辞めました。
【田原】そうか、藤田晋はケチだったか(笑)。それで、辞めた後は?
【椎木】サイバーエージェントさんと仕事してわかったことがあります。それは、女子高生であることに世の中はお金を出すということ。石鹸を使った感想なんて誰でも同じだけど、私が女子高生だからそれを読んでくれる人もいた。それならば、この先も女子高生の感性を売りにしたほうがいい。そう考えていたら、お菓子のメーカーさんからマーケティングサポートの依頼がきました。新商品のCMを一足先に見せるから、女子高生に座談会をやってもらって感想を聞いてほしいという依頼です。
【田原】仕事が向こうからきたわけだ。今度はギャラもよかった?
【椎木】はい。お菓子のパッケージとか、LINEのスタンプのデザインとか、そういうものへの意見も含めてウン100万円もらえました。きたーって感じです。
【田原】ケタが2つ違うね。女子高生の目線にそれだけの価値があると。
【椎木】はい。大手の代理店も若いコを集めてリサーチしていますが、答えるコはセミプロで、ホントに女子高生かどうかわからないし、料金もウン千万取ると聞いています。企業は大手代理店のそうしたやり方に疑問を持ち始めていて、本物の女子高生である私たちのところに話がきた。本物なのにウン100万円だから、まだ安いくらいです。