学生時代は官僚志望。失敗して銀行へ就職するも、1年半で転職。そこも2年で辞め、起業。だが、次第に資金繰りが悪化。倒産寸前に。起死回生を――彼が選んだのは、因習が支配する水産流通業だった。

ロングテールで水産流通革命

【田原】松田さんは八面六臂という会社をつくって、水産業の流通改革に取り組んでいらっしゃる。具体的に、この会社でどういうことをされているのですか。

【松田】市場や漁師さんから仕入れた魚を飲食店に販売していて、築地からほど近い中央区豊海に物流センターを構えています。市場と飲食店をつなぐ卸業者は昔からたくさんいるのですが、私たちはインターネットを使っていることが大きな特徴。他の業者さんは、いまだに電話やファクスが主流です。