【花田】平和安全法制の国会論議が始まってから朝日新聞には反対の社説が37回掲載されました。天声人語では25回。一般の人は我々のように何紙も併読しないから、朝日新聞とか東京新聞とかだけ読んでいると、その内容を信じてしまいます。法案成立の日の朝日新聞には、ゼネラルエディターの長典俊さんという方が「一体、自分たちはどこに連れていかれるのか、というどうしようもない不安」と書いていた。多くの国民が疑問や怒り、不安を感じているだろうというのはよくある新聞の書き方なのですが、安保法制が成立したからって、日本人の多くが、ほんとに不安に感じているのか(笑)。

【飯島】徴兵制になるというのはナンセンス。不安なんて感じないですよ。

【花田】朝日新聞の話を続けると、昨年の慰安婦誤報問題への訂正と謝罪を受けて、朝日新聞の読者投稿欄「声」は、これまで朝日新聞と同じような意見しか載せていなかったのですが、最近は5本に1本ぐらいは朝日の主張と対立する意見を載せるようになったのです。

【飯島】いかにも朝日新聞、というような対処ですね。「声」欄の両論併記が誤報問題を防ぐ手段になるとは思えません。

【花田】そうなのです。朝日新聞の読者の多くは、朝日新聞のスタンスに賛同する人が多いでしょうから、もし、誰かが朝日新聞に批判的な投稿をすると、「声」欄に掲載される可能性が非常に高い(笑)。

【飯島】なるほど。誰かが挑戦してみたら面白いかもしれませんね(笑)。

※次回へ続く

月刊誌「WiLL」編集長 花田紀凱
1942年、東京都生まれ。66年に文藝春秋入社。88年「週刊文春」編集長に就任し、実売51万部を76万6000部まで伸ばす。「マルコポーロ」(文藝春秋)、「uno!」(朝日新聞社)、「メンズ・ウォーカー」(角川書店)編集長などを経て、2004年より「WiLL」を創刊し編集長。著書に『編集者!』など。
(写真=時事通信フォト)
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