上位有名大学の志願者寡占化が進む
近畿大は今後も改革の手を緩めない。来年には国際学部を新設し、2020年を目指してメーンキャンパスの整備を進めている。タワー校舎の建設をはじめ、2400席用意される24時間オープンの自習室の設置は他大学に例を見ない。今の高校生は家で勉強せず、図書館、学校や塾などの自習室、教室などで勉強するのが主流だ。ところが、大学にはあまり自習室が用意されておらず、大学に進学すると学習スタイルが変わってしまう。それを今の高校生のライフスタイルにあわせようというのだ。
2位の明治大は志願者日本一に立った2010年をピークに志願者が減少していたが、今年は歯止めがかかり志願者増に転じた。
今年、全国の大学の中で志願者がもっとも増えたのが7位の東洋大だ。過去最高の志願者数となった。入学定員を増やしたことに加え、センター試験利用入試で受験料割引制度を実施したことが、志願者増に大きく貢献した。
一方、国公立大トップは58位の東京大の1万2384人だ。以下、72位の大阪大が2位、74位の千葉大が3位の順だ。医学部を擁する総合大学が上位を占めている。
ただ全体を見ると、近年、私立大では志願者ランキングの上位校の寡占が進んでいる。例えば、1位の近畿大から25位の専修大までの志願者を合計すると、私立大全一般入試志願者305万1817人の5割を占める。同様に私立大58番目の関東学院大までを合計すると、全志願者の7割になる。募集を行っている私立大は580校ほど。1割の58校で志願者の7割を占めるのだから、学生募集が厳しい大学も出てくる。日本私立学校振興・共済事業団によると、およそ43%の私立大が定員割れというのもうなずけよう。
少子化が進む中で優秀な学生確保のため、改革を進める大手私立大は数多い。今後ますます、有名大の志願者寡占が進んでいくのではないだろうか。