Q: なぜ会議でポストイットを使うのですか?
ポストイットは、会議の議題に集中するために使います。参加者が挙手して発言すると、発言の内容より、発言者が誰かということに注目が集まりがちです。たとえば目上の人の意見が通りやすくなったり、逆に新人の意見が無視されたり。これでは正しい情報を吸い上げられず、問題解決が遠のいてしまいます。
一方、ポストイットは匿名性があるので、誰が書いたのかは問題になりません。たとえばパートタイマーの方が「現場を知らない人が物の置き場を勝手に変えたので、効率が落ちた」と遠慮なく指摘できます。会議に余計な力関係を持ち込ませないという意味で、非常に効果的なツールなのです。
ただし、ポストイットに原因を書き出してもらっても、いきなり原因にたどりつけるわけではありません。原因だと思っていたものが別の原因によって起きた現象であったり、2つの原因を深掘りすると根っこは同じという場合もあります。こうして問題の整理を行うのがファシリテーターの役目です。
ファシリテーター役は、議題に直接関係のない中立的な立場の人にお願いします。GEでは人事など他部署の人に頼むことが多いですね。ちなみに社員はファシリテーションスキルの研修を受けているので、どの社員も最低限のスキルは身につけています。
問題の原因が浮かび上がってきたら解決策の議論に入りますが、解決策を整理するのもファシリテーターの役目です。解決策は、遂行が容易か困難か(8週間以内に終了して、資金投入が少ないかどうか)、収益が大きいか小さいかという2つの軸でマトリックスをつくり分類します。遂行が容易で収益が大きいものは、「ボーナスチャンス」。これは最優先で取り組みます。遂行が容易で収益が小さいものは「すぐできる」、遂行が困難で収益が大きいものは「努力が必要」です。そして遂行が難しく収益も小さいものは「時間の無駄」。こうした分類を参考にして解決策の優先順位を決定します。