殺人マダニウイルスを知っているか?

西アフリカを中心に多数の死者を出したエボラ出血熱。幸い、現時点で日本国内において感染者は発見されていないが、そこで「感染症は対岸の火事。日本には影響ない」と考えるのは早計だ。日本には日本発の感染症があり、死者も出ている。

2013年、西日本を中心にSFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルスの感染例が相次いだ。このウイルスはもともと日本国内に存在していた。媒介するのはマダニだ。発症するとエボラ出血熱に似た症状を引き起こして死に至るケースもあり、「殺人マダニウイルス」として騒がれた。14年11月時点で、31人の方が死亡。すでに死者が出ているという点では、日本人にとってエボラ出血熱よりずっと身近で危ない。感染症は、現在進行形で我々の生命を脅かしている。