アフガニスタンの土着組織がタリバン
突如、中東のシリアとイラクの地域に樹立を宣言したイスラム国。この組織を理解するためには、タリバンとアルカイダというイスラム過激派組織のことを知る必要がある。
まずタリバン。この組織ができたきっかけは、ソビエト連邦のアフガニスタン侵攻だ。アフガニスタンの内紛に乗じて、1979年にソ連がアフガニスタンに攻め込む。当時、アフガニスタンの共産主義政権が危機に瀕しており、ソ連としては、アフガニスタンがアメリカを中心とした自由主義陣営に取り込まれるのを防ぐ狙いがあった。
そこで起きたのが「反ソ・ジハード(聖戦)」。ソ連に侵略されたアフガニスタンを助ける、という旗印の下、アラブを中心にイスラム社会全体から義勇兵がアフガニスタンに集まった。タリバン結成の起源はここにある。
タリバンの義勇兵の中心を担ったのは、アフガニスタンで最大の人口を持つ民族のパシュトゥン人だ。タリバンのそもそもの意味は「学生」。元来、イスラム神学校で教育・訓練された学生たちで構成されたためである。
つまり、タリバンはもともとアフガニスタンに住む人々が中心となってつくられた土着の過激派組織なのだ。