本当なら、そろそろ頭打ちになってもおかしくないJ-REIT(不動産投資信託。日本版リート)が、再び騰勢を強めている。J-REITの相場動向を示す東証REIT指数は、今年1月16日に1990ポイントまで上昇。2011年12月は800ポイント前後だったから、この3年間で倍以上に値上がりしたことになる。
とはいえ、2000ポイント目前で、流石に割高感も出てきたのか、2月10日には1812ポイントに。マーケット関係者の間では、調整が深くなるのではないかとの見方もあったが、2月10日が底値で、東証REIT指数は切り返した。
J-REITへの関心が高まっている理由は、未曾有の超低金利だ。国内長期金利の指標となる10年国債利回りは1月19日、過去最低の0.2%まで低下した。
一般的に、J-REITの分配金利回りと長期金利のスプレッド(差。分配金利回り―長期金利)は、3%とされている。昨年11月時点の長期金利は、0.5%台。対してJ-REITの分配金利回りは3.1%前後なので、両者のスプレッドは2.6%程度まで狭まった。
しかし年明け以降、長期金利が0.2%まで低下し、分配金利回りとのスプレッドが再び拡大。J-REITの投資妙味が高まり、東証REIT指数は2000ポイント目前まで上昇した。現在、東証REIT指数は、1812ポイントまでの調整を経て再び上昇へと転じている。これも1時0.4%台まで戻った長期金利が、再び0.2%台に低下したためと思われる。