たとえばエッセイなら、自分が仕事やボランティアなどの場で、どんなことに挑戦し、何を達成したか――といったことを、短文で簡潔にまとめる。

「その経験は、普通の日本人がやらなそうな事柄であるのが望ましいです。たとえば学生時代に会社を立ち上げたとか、ボランティア団体をつくったとか。スポーツに打ち込んで日本一レベルの好成績を挙げた、小説を書いて、文学賞を獲った……なんてことも評価されます」

加えて「ハーバードに入るには相性も関係してきます」と佐藤さんは指摘する。

米国の難関10大学

「米国にはアイビーリーグと呼ばれるハーバードを含めた8大学があり、ほかにマサチューセッツ工科大学とスタンフォード大学を加え、難関10大学と呼ばれます。どの大学にも校風があり、求める人材も異なります。そのため、ハーバードは受かったけどコロンビアは落ちたというような場合、コロンビアの校風に合わない人材だった可能性もあります」

大学ごとの求める人材像を受験生が理解し、「私はこの大学に合いそうだから、ここを受けよう」と判断するのは難しい。そのため、米国の大学・大学院を受験する際は、自分に合った学び舎を求め、いくつもの学校を併願するのも普通だ。

米国の大学・大学院受験のイメージは掴めただろうか。日本人には大変な挑戦になることは間違いないが、名門大学・大学院に留学し、さらにMBAなどを取得すれば、それは一生の保障になりうる。

「名門校を出ると人脈が築けますし、MBAホルダーならそれだけで、名刺代わりの強い威力を発揮します。すでに一流の外資系企業ではMBAはなくてはならないものなので、ビジネスで成功したい人は挑戦する価値があると思います」

作家・コンサルタント 佐藤智恵
東京大学卒業、NHK勤務を経て、米国コロンビア大学経営大学院に留学。MBAを取得。2004年よりコロンビア大学経営大学院の入学面接官も務める。近訳書に『巨大な夢をかなえる方法 世界を変えた12人の卒業式スピーチ』(文藝春秋)がある。
(菅井淳子=撮影)
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