会社に証拠を手渡すのは危険

では、部下からいじめに遭ったら、どう対処すべきか。まず必要なのは証拠集めだ。嫌がらせのシーンを録画・録音したり、メモなどで詳細に記録に残しておくと、交渉や訴訟で有利になる。

証拠が揃ったら、会社に相談して環境改善を求めたい。このとき会社に証拠の原物は渡さないように注意したい。

「会社が真摯に対応してくれればいいのですが、事なかれ主義で動かない会社もないとは言い切れません。その場合、パワハラした部下だけでなく、職場環境配慮義務を果たしていないなどとして会社側と争うことも視野に入ってきます。争う可能性のある相手に証拠の原物を渡すのはリスクが高いので、会社とはコピーを使って話をするといいでしょう」(友常弁護士)

相談しても解決しなければ、本人や会社への損害賠償請求、精神疾患の場合は労災申請もありうるが、まずは労働局等の総合労働相談コーナーに相談するのもよい。深刻な事態になる前に、早めの対応をしてほしい。

(図版作成=大橋昭一)
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