あまり考えず「払えない額じゃないので」保険に入る
「もしものときのために」「何かあったら」……こんな不安だけで保険に入っていませんか?
また、「保険は入るもの」と思い込んで、保険に入っているだけで満足していませんか?
上場企業の平均生涯賃金が約2億円といわれる時代に、1世帯の平均年間保険料(個人年金保険料含む)が41.6万円(生命保険に関する全国実態調査)です。ということは、30歳から65歳までの35年間の保険料総額は、1456万円にもなります。
家庭によっては火災保険や地震保険、自動車保険などの損害保険料があることを考えると、もしかしたら生涯賃金の1割近くが保険料となっているのかもしれませんね。働いて得た給料から払っている保険料のその中身は、あなたの家計にとって、本当に必要なものなのでしょうか。
▼年収900万円50歳Aさんは25件もの保険に加入
50歳のAさんの年収は900万円ほどあり、現在の家計は順調であり、貯蓄も1000万円を超えています。それでも定年後の年金生活を考えた際に、「本当にこんなにたくさんの保険が必要なんだろうか」と不安になり、相談にいらっしゃった方の1人です。
Aさん一家が加入していた保険は4人家族で25本。「勧められたから」「断るのは悪いから」「職場の共済は安いと聞いたから」と、夫婦がそれぞれ、その時々で保険に加入していたのです。
ご不安を伺うと「入院したことがないから、いくらぐらいのお金がかかるかわからなくて不安」ということで、「入院費用は保険で賄う」と考えていらっしゃいました。また、「保険ってみんな入るんですよね?」と、選択肢の1つである保険を、「入るのが当たり前」と考えており、「高いかな? 多いかな?」と思いつつも、払えない金額でもないので保険と向き合うことを避けてきたのです。そこで、まずは入院にかかる保障の整理を行いました。
整理をしてわかったことは、Aさんが入院すると入院日額2万1000円、がんで入院したら日額4万6000円を受け取ることができます。Aさんの奥様が入院されたときには、入院日額2万1000円、がんで入院したら日額3万1000円という保障になっていました。
そこで、そもそも入院したときに、これだけの保障が本当に必要なのかどうかを考えてもらったのです。