不動産投資顧問やビジネスプロデューサーなど数々の肩書と資格を持つ、金森重樹氏。毎年払う所得税・住民税は1億~2億円以上で「ネオ富裕層」としても知られる金森氏がプレジデントオンラインの読者のために、夢の資産作りの第一歩を伝授する。

「やくざが実家に取り立てに来た」

25歳の頃、僕はある事情で借金1億2000万円を抱えたフリーターでした。年間の金利支払いは600万円。もちろんフリーターにそんな大金が支払えるわけもなく、債務不履行による遅延損害金は年間936万円です。

やくざが実家に取り立てに来て実家にも帰れなくなって、日の当たらない倉庫を改装したカビだらけの文京区後楽のアパートで僕は酔いつぶれて寝ていました。詳しくは拙著『お金の味』で書いていますが、その夜中に僕は、「理詰めで富裕層になる方法」がわかりました。

とはいっても、東日本大震災の後に、「実は私は地震が来ることを予言していた」とか、ブログの日付を書き換えて、あたかも前から予知していたことを装うような、根拠不明かつ虚偽の話ではありません。

著者の金森重樹氏

僕が13年ほど前に始めたメルマガでもきっちり記録は残していますし、僕は「理詰めで富裕層になる」とメルマガや拙著で最初に宣言した後で10年かけて35歳で負債を一掃、それから数年で予定通り富裕層(金融資産1億円)、超富裕層(金融資産5億円超)へと辿り着きました。

「後だしじゃんけん」じゃない「理詰めで富裕層になる方法」について、これから話してみたいと思います。借金1億2000万円あった僕が超富裕層になれたのですから、大きな借金もなく、地道に働いている多くの読者の方であれば、考え方を変えるだけで超富裕層も夢ではない、そう声を大にして言いたいのです。

▼「金持ち本」には落とし穴がある

理詰めで富裕層になる方法。まず、世の中の「金持ち本」の選び方について。あなたが富裕層を目指すとして、手始めにするのは「ノウハウ」探しかもしれません。

「金持ち本」には、海外の大富豪に教えを乞うたとか、たくさんの富裕層と接する著者が語るといった類のものが世に出ています。これは、その本を書いている本人が富裕層じゃないとすれば嘘ですよね。

これって世界的禁煙活動家で『禁煙セラピー』の著者のアレン・カー氏が肺がんで亡くなったというくらい矛盾に満ちています。本当に乞うた教えが正しければ、自分でも実践して富裕層になってないとおかしいじゃないですか。

『金持ち父さん貧乏父さん』で知られるロバート・キヨサキ氏が個人で1回破産、会社で2回破産しているけど金持ちになる方法について語るという、そこはかとない「経歴隠し」と同じ匂いがします。

だから、著者を見てほしいのです。

「何を語るか、よりも誰が語るか」のほうが真実を示しています。「何を」の部分はいくらでも脚色できますが、「誰が」の部分は誤魔化しようがないですから。

こういった「金持ち本」はファンタジーです。富裕層になりたい人が夢を見るのをはかどらせるだけで、ファンタジーから醒めたときに世界は何も変わっていません。

では、なぜこういった「金持ち本」が次から次へと出版されるか。それは、格差が大きくまた閉塞的な社会の中であたかも阿片屈にこもるようにファンタジーに耽りたいといった層が多いからではないでしょうか。