調査によって見つかった求める人材像を6つの行動特性((1)外交性、(2)開発性、(3)認知欲求、(4)水平的集団主義、(5)あいまいさの享受と統制、(6)達成性)に分け、応募時にWeb上で「35の質問」に答えさせることで、あらかじめ応募者にこれらの特性があるかを見極める仕組みをつくった。「1人で過ごすよりも、大勢で過ごすほうが好きだ」「長い時間集中して考えることは苦手だ」「やることの明確に決まった課題のほうがやりやすい」などといった質問は10分もあれば答えられる。しかし、その段階で2割近くが不合格となる。「どんなにバランスのとれた優秀な人でも、弊社が欲しい人材ではないかもしれない。求める特性に合致する人だけをスクリーニングしていきます」。

上:第1回のカフェテリア採用を経て入社した15年度の新入社員。研修を終えて、2人ずつ全国の支社に配属される。左:人事の杉浦氏(左)。横国大の服部准教授(奥)などと採用方法の分析を繰り返す。右:新潟の三幸製菓本社

その後は、前述の通り回答結果を基に、その人に合いそうな採用方法が17種類の中から3~7種類ほど画面に映し出され、自分で選んで応募する。

地方企業のため、スカイプ面接も多用するが、選んだ採用方法によっては最終面接まで本人に対面しないこともある。「人事は極力、応募者と会わないほうがいいとすら思っています。入社後、一緒に働くのは採用担当ではないですし、やる気や情熱といった曖昧な熱量に気をとられ、その人の特性が見えなくなることもあるからです」と話す。ただし、役員による最終面接は別だ。「最終面接だけは経営者の好き嫌いで決めてもらっていい、と考えています」。最終面接こそ、会社との相性、フィーリングを見る場として最適であり、その判断を下せるのは会社を動かす経営者だけだと考えているからだ。