3 身だしなみ なぜ、どんな天気でも髪形が崩れないか


※常井健一氏の取材をもとに編集部推定。プレジデント編集部=撮影

進次郎は選挙応援の際、ノーネクタイで臨むことが多い。2012年の決起集会では、「(自民党が大敗した09年の)あの夏の厳しい戦いを決して忘れちゃいけない。選挙というのは厳しい戦いであって、ネクタイ締めて、かしこまって、カッコつけて勝てるような甘い世界じゃない。そして、私の原点である初めての選挙で支えてくれたみなさんに対する感謝を、忘れてはいけないという(気持ちの)表れです」と語った。

国会活動など、ネクタイを締める場面でも、ブランドのロゴが使われているような柄を選ぶことはない。ワイシャツは基本が白、ジャケットも派手な色や形は避けてダークスーツを着用しており、清潔な印象とともに、ネクタイの柄や本人の表情に視線が集まる。

右手の袖口から覗くのは、青年局特製の被災地支援グッズである、「継続は絆なり」と書かれた白のシリコンバンド。胸元のリボンで政治的主張を強調する政治家は多いが、見えなそうなところで主張するのが進次郎流。左手首にはいつも高級ブランド物ではない腕時計をつける。こうした細かいところにも、身近な存在に感じてもらうためのさりげない気遣いが感じられる。

遊説先ではどんな悪天候でも髪形が乱れることはない。恐らくジェルとスプレーの合わせ技で固めているのだろうが、鏡を覗いて気取っている素振りは舞台裏でも見せない。橋本龍太郎元総理はヘアクリームでガチガチに固めた髪形、父・純一郎元総理は奇抜な「ライオンヘア」で強烈な個性を印象付けたが、額の右半分だけを見せる進次郎氏の七三分けも清新さと毛並みの良さを印象付ける要素となりつつある。