アポイント時間の刻み方にこだわる

本多がお預かりしているご契約は、個人保険だけで約600件。そのすべてに最低でも2年に1回、かならず電話をしている。

「月に約20件になります。『前回お伺いしてから2年経ちましたので、またお時間をつくっていただけませんか』と、ごあいさつします。すると、『最近こういう商品はどうなの?』とか『相続で3000万円くらい受け取ったんだよね』とか『この歳になって結婚することになりました』と、結構いろいろな話が出てくるものです。お電話するとアポイントが取れるのは半分で、そのうちの半分はなんらかの追加契約につながっています。これは僕にとって、すっかり習慣化したことを続けているに過ぎません」

本多慶太さん

そんな習慣化を大切にする本多のアポイントの入れ方はこうだ。「たとえば後輩のアポイントの入れ方を見ていますと、時計の文字盤のように12時・3時・6時といった時間で区切っている。移動時間を差し引いたとしても、商談ひとつに2時間強もかかるでしょうか。ほとんどは1時間以内、長くても1時間半です。つまり、12時・2時・4時・6時で十分にスケジュールが回せるのに、なんとなく3時間刻みにするという悪い習慣が身に付いてしまっているわけです」

しかも、たとえば3時の予定が空白のまま、12時と6時にアポイントが2件入っている状態を暇だと自覚するのではなく、自分は忙しいと錯覚しているのが、大きな問題だと本多は考えている。

「下手をしたら、毎日12時と6時、お昼休みと夕方にしか人に会わない。『5日間で10人訪問しました!』と言って一週間が終わるわけです。それなら、2時間刻みで4人ずつ3日間やれば、12人にお会いできて、丸2日は余る。そこを新しいことをやるための準備や勉強に充てられます。もしくは1日2件だとしても、12時・2時とか、4時・6時というつながった入れ方をすれば、半日まとまった時間を生み出すこともできる。この刻み方の1時間という小さな差が、やがてセールスパーソンにとって大きな差になっていきます」

※本連載は書籍『アメリカ本国を驚愕させたプルデンシャル生命の「売る力」』からの抜粋です。
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