社会になくてはならないインフラを提供したい。多くの起業家はその一念で事業を立ち上げる。私自身がそうだった。どうしても知りたいのが、先行事例であるマイクロソフトやグーグルなどの内情だ。本書で明かされるアマゾンおよび創業者ジェフ・ベゾスの物語も、その意味でたいへん興味深い。顧客重視を貫くベゾスのやり方は、半面では徹底した弱肉強食のビジネスであり、読んでいて軽い嫌悪を覚えるほど。とはいえ、これが世界のスタンダード。彼らとの競争が避けられない以上、相手の強さと弱さを知るためにも一読の価値がある。私自身は、顧客や取引先との共生を大事にする日本流のほうが長期的には優れている、と改めて確信した。

(撮影=的野弘路)
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