手術・治療法を図解!「絵心ある人」は当たり
さらに、医師が考えた治療方法の説明内容も「信用できる・できない」を測る尺度となる。患者軽視も甚だしいが、医師のなかには「この治療方針でいきます」と一方的に通告するタイプがいるという。高齢の患者などは「頼もしい」と感じる場合もあるようだが、天野氏は言う。
「当然、きちんと選択肢を提示する医師こそが望ましいです。そして、治療のメリット・デメリットを説明すること。それも患者が腑に落ちるまでわかりやすい用語で。また、言葉だけでなく患部の様子や手術の方法をシンプルな図解にしながら」
医師に必要なのはインフォームド・コンセント(説明と同意)と言われるが、天野氏に言わせれば「“説明と説明”つまり、患者からの説明や希望にも耳を傾けることが重要です」。そして、状況に応じて、患者にとって耳障りなことも言葉を選んで言える医師。そうした本物のプレゼン力があることがいい医師の要素なのだ。
読者のなかには、医師選び=いい病院選びと考える向きもあるだろう。その場合、陥りがちなのは、がんセンターや有名大学病院至上主義だ。確かに先進的な治療を受けられることもあるが、常にひどく混雑していることを覚悟すべき。
「1人の医師の仕事量も膨大なものになり、結果的に、『医師が話を聞いてくれなかった』と見捨てられたような気持ちになる患者さんは少なくありません。個人的には、病院を知名度やブランドで選ぶのではなく、自分のがんをきちんと診察してくれる専門の診療科がある病院に行くことが大事だと思います」
なお、「いい医師」情報は、各がんの患者会から教えてもらうという手もある。