サントリー食品インターナショナル、西武HD、すかいらーく、そしてリクルートHD。2013年から14年にかけて、新たに株式を上場する企業が相次いだ。
新規公開株(IPO)は、企業が新たに証券市場に上場した株のこと。上場によって企業は資金を不特定多数から調達でき、投資家はその株を自由に売買できるようになる。
かつて新規公開株は、「無料の宝くじ」と呼ばれていた。
そもそも新規公開株は、証券会社に応募して購入する仕組み。そのときの公募価格は会社の業績や資産内容などを勘案して決められるが、一般的に低めに算出される傾向があるため、新規公開株が上場されると初値が公募価格を上回るケースが多く、利益を得やすい。応募自体は無料で行えることもあり殺到しがちだが、高倍率の抽選に当たりさえすれば、かなりの確率で利益を得られたことから、無料の宝くじと呼ばれたのだ。
実際、新規公開株がブームになった2003年末から05年にかけては、抽選に当たれば儲かるというおいしい状況だった。私が初めて抽選を突破したのは、04年の新生銀行。公募価格一株525円に対して初値は872円をつけ、約35万円の売却益を得た。たまたまいい銘柄だったから儲けたわけではない。
04年は175社が新規公開して、うち165社で初値が公募価格を上回ったのだ。
残念ながら、06年のライブドア事件や08年リーマンショックにより新規公開は激減。だがアベノミクスで株式市場に活気が戻ると、ふたたび増加傾向に。13年に新規公開を行った企業は54社だが、公募割れは1社だけ。宝くじ状態の復活となったのだ。