当選すれば必ず儲かるというわけではない。何を隠そう、私は13年に唯一公募割れしたウィルグループの新規公開株に当選した。公募価格2870円に対して初値2750円。初値がつくと同時に売ったので傷は浅くて済んだものの、ババを引いてしまった。

じつは14年に入ってからは、初値が公募価格を下回る銘柄が出てきている。10月末時点で45社が上場して、公募割れは10社。一昨年より公募割れが増えたのは、株式市場が落ち着いてきて、何でも上がるという状況ではなくなったからだろう。

今後はどうか。昨秋上場される予定だったのが延期されたLINE、今年早々には計画が発表される見通しの日本郵政など、大型案件が控えていることもあり、今年以降も注目されることだろう。

今後は儲かる銘柄と損する銘柄の見極めが重要になる。

一般的に規模が大きい新規公開株は「儲かりにくい」と考えられる。資金調達額が大きく株数も多い新規公開株は、抽選に当たる確率が高くなる一方、初値をつけたらすぐに売る投資家の数も多いことを意味する。昨年注目された大型案件も、すかいらーく(公募価格1200円→初値1200円)、リクルートHD(公募価格3100円→初値3170円)など、話題になったわりに低調な初値だった。

また、成長性が低い企業も評価されにくい。私が昨年抽選に当たったジャパンディスプレイは、縮小が続く液晶市場の企業。成長性が疑問視され、見事に公募割れした(公募価格900円→初値769円)。それでも通常の株式投資と比べて勝率がいいという事実は変わらない。ブームが続いているうちに、しっかり儲けたいところだ。

(構成=村上 敬)
【関連記事】
株で勝てる人と負ける人はどこが違うか
東京オリンピックまで「値上がる株」は
世界の大金持ちは、どんな金融商品を選ぶのか
なぜ晴れの日には株価が上がるのか
サラリーマンが60までに1億つくる法