つらさのなかにもやり抜く糧を見いだす

医者が起業して経営者になるケースはかなり稀ですし、アメリカでのビジネス実績もありませんでしたから、資金調達は難航しました。お会いした投資家に断られてしまったときも、その時いただいたフィードバックをもとにまた一歩、出資してくれる投資家に出会える確率があがったのだとポジティブに考え 、諦める気持ちは微塵もありませんでした。それほど自分の手で世界から失明を減らしたいという思いが強かったのだと思います。

乗り越えなければいけないことを列挙して出来ない理由を考えるのは簡単です。ではアントレプレナーの話を聞いて成功する法則を見いだせばよいかと言うとそうでもない。同じ成功は存在しないと考えたほうがいいからです。根底で共通しているとしたら、結果を生まずして諦めるという選択をしないことくらいで、成功のパターンは人それぞれですから。

アントレプレナーが成功したプロセスを真似るのではなく自分がやり抜くためには何が必要なのかを考える糧にすることが大事だと思います。また、プロセス自体が楽しめるようなプロジェクトに出会うことも重要です。出資を仰ぐたびに、投資家に断られるのはつらかったですが、新しい人との出会いや、いろいろなご意見・ご指摘は大変勉強になり、つらいなかにも楽しみを見いだすことができました。