コミュニケーションは、多様な要素の複合体(発信側だけでも「伝え手」「伝える中身」「伝え方」が関係している)である。経営者の話を分析していくと、いかなるときにも有効な「普遍原理」のようなものが確かに存在している。ここでは、それぞれの経営者が見出した「伝え方」を考察してみよう。
3度左遷されても正しいことは主張した
ニコン元取締役会長
苅谷道郎氏
苅谷道郎氏
とことん考え抜き、書きとめる習慣は現場で研究に携わっていたときからだ。私は過去に3回左遷され、一度は窓の外まで飛ばされたが、それも自分で考えて正しいと思ったことを率直にいって、上司と衝突したのが原因だった。ただ、その結果として今の自分がある。
考えることに時間をかける一方で、徹底して時間をかけずにスピード化を図るのが情報伝達だ。
ニコンでは部長クラス以上は毎週、週報を上司、カンパニー長、役員、そしてトップ宛に日曜夜までに、階層や部門を超えて、メールで送らなければならない。月曜日に開かれる経営会議などの定例会議では出席者全員が週報に目を通していることが前提になる。私が読む週報は毎週300通に達する。
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